火の鳥を再再読した

手塚治虫の代表作の一つ、火の鳥のシリーズ全作を最近読了しました。

最初に読んだのは高校生のとき、
次に読んだのは20代になってから、
そして、今回は40代も中盤になってからです。

今回は、それまでと違い、Amazon Kindle (iPhoneアプリ)版で読みました。
Kindle版だと16分冊になっていて、書籍版より若干冊数が多いようです (その分1冊辺りの価格は安くなってます)。


さて、感想ですが、

何というか…、

もう、何ていうか、


凄すぎる!


その一言に尽きます。


「永遠の生命」を火の鳥の姿に託して、地球の黎明期から、西暦3,000年を超える遥かな未来までをドラマチックに描き切っています。


いつの世でも繰り返される争い、戦争、善悪と正義、
永遠の権力への欲望から生じる永遠の命への渇望、
諦観、
宗教と精霊、
日本史への考察、
美と醜、
人工知能の限界、
人工生命の意義、
クローン生命と尊厳、
人類とその他の動物との違い、
変身、心身なりきり生活、
ロボットに宿る魂、
生命の、時間を超えた混ざり合いと輪廻、
人類の常識が通じない宇宙の生命、
時代を超えた夢の共有 (疑似タイムスリップ)、
近親相姦、
ケモニズム、
異常性癖、
ヒョウタンツギ、

と、これらのサブテーマとエピソードが眩暈しそうな大きなうねりを持ったストーリー展開で、
右にも左にも偏らない抜群のバランス感覚で、各編を仕上げています
(ただし、雑誌の休刊のために未完で終わったものや、作者逝去のため構想のみとなったものもあるようですが)。


恐ろしいことに、巻末の初出を見ると、月刊ペースで公表していて、
しかも、火の鳥執筆と平行して他の作品も描いていたはずで、
よくもまあこれほどの超絶クオリティの作品が出来上がったものだと、ただただ驚くほかはありません。


たまに、ネットで絵柄の古臭さが指摘されていることがありますが、
きちんと作品を読めば、そんなことは、もはやどうでもいいと感じるはずだと私は思っています。


今回の読了で、琴線に響いたものはいくつもありますが、
その中で、現代的だなあと思ったのは、

神にも匹敵する複数の人工知能体同士の争い、

です。

どちらも「正しい」ので、一旦結論を出してしまった後はもう再検討もしないし譲歩もしないしで、
その結果、最後まで平行線のまま、○○してしまいます。

これって、火の鳥でも話を変えて改めて出てくるのですが、宗教とか思想の争いにそのまま当てはまりますよね。

どちらの教義も「正しい」ので、争いで決着をつけて残った方が勝ち、という。

政治などは、「どの正義」を貫くことが正しいのか (1人でも多くの民を幸福にできるのか)、
その舵取りは非常に難しいところがあるとは思いますが、

少なくとも、私利私欲による我田引水、などで方向性を決めることがないように政治家の皆さんには頑張っていただきたいと思っています。
もちろん、他人任せではなく、一人ひとりが常に「幸福」とは何かについて考えていないといけないと思います。


いやはや、本当にいい本を読みました。
手塚治虫万歳! 漫画万歳! 読書万歳!






おまけ ニコニコ動画から


ファミコン 火の鳥鳳凰編



原作をほとんど踏襲していないのが、むしろ良いのかもしれません。
名曲多し。

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