漫画 転生したらスライムだった件(第12巻まで) を読んでみた

転生系はどれも似たようなもので、かつ、一時的な流行り物に過ぎないと思っていて、これまであまり手を出していなかったのですが、
本作はとても面白かったです。

面白さのポイントは以下となるでしょうか。

・最弱の象徴であるスライムが強い
・ゲーム的な成長要素
・ホワイトな世界
・比較的平和な展開
・魅力あふれるキャラクター(特に魔物側)

ストーリーは、
主人公は、現代の日本では中間管理職として働いていたが、通り魔の襲撃から後輩を守ったことで、代わりに刺殺され、ファンタジーの世界に転生した。
だが、こともあろうに主人公は最弱なスライムとして生まれ変わってしまい、最初は五感すらもないに等しい状況だったが、とあるスキルがもとで、相対した敵(魔物)を取り込んだり、力でねじ伏せて仲間にすることで、行動範囲を広げていく。
そして、彼の元々の面倒見の良い性格によって仲間にした魔物たちに心から信頼されることで、魔物の各種族を平和に従えつつ、領地を少しづつ拡大していく…

というものです。
人気の秘訣は、現代社会の日本に大きく欠けている、主人公や仲間の魔物たちの「ホワイトな」気質や資質、というところでしょうか。
登場人物の中にはブラックな対応を強いたり強いられたりというものもあるのですが、主人公やその周りの魔物たちは、とても温和で正直で勤勉という、支配者も服従者もホワイトな思想で生きています。

それでいて、外部から強大な敵は次々に現れるので、退屈ではないのがまたいいです。そして、新たな敵も、最初は敵対していてもやがて主人公の共同体の運営方針や人柄(スライム柄)を理解して、一旦仲間になると、ホワイトな思想を強化する強力な一員になってくれる、というのが、非常に理想的な世界に思えて、読んでいてとてもいい気分になっていました。


魔物はファンタジーRPGにあるような種族がメインですが、性格付けはかなり丁寧にしっかりとなされていて、それぞれの種族の言動には破綻がなく、納得のいく、説得力のあるものとなっていました。

魔物たちは、狂暴な本性はそのまま残っているにも関わらず、主人公を慕うことで、主人公が見せる平和なビジョンをよく理解してその実現に邁進するのがまたとても小気味よかったです。魔物であっても、話せばわかる、彼らとて平和と安定した生活を欲している、という作品の主張は、現実の社会が本来目指さなければならない目標であることを示唆しているように思いました。


それから、主人公や仲間たちの成長がゲームプレイ的なのも本作の魅力の一つでしょうか。
戦った敵の要素を吸収してそれを今後の行動に活かせるようになるとか、自治領内の技術やアイテムがクラフトによって少しづつ改善されて、やがて他国との交流や交易の中で街が少しずつ賑わいを見せていく、というのはまるでゲームで街をクラフトによって成長させているような体験に近いものがあり、その面白いゲームを自分がプレイしているような不思議な感覚を得ました。


最新刊では、少々大きくなりすぎた主人公の自治領が、外部の新たな強大な敵に目を付けられてしまうことで、風雲急を告げる事態となってしまいますが、主人公とその魔物たちのことだし、きっとなんとかなる(なって欲しい)と期待しつつ、以後の続巻に大きく期待します。

そういえば、本作はアニメにもなっているみたいなので、近いうちに視聴してみるつもりです。こちらもとても期待しています。

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